活動状況

インターネット政治研究会
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第2回インターネット政治研究会(平成29年度第1回)
~「主権者教育とITの活用」~

日 時 : 

2017年4月25日午後6時~午後7時40分(午後5時45分開場)

場 所 : 

明治大学駿河台キャンパスグローバルフロント1階多目的室

報告内容 :

「18歳選挙権」とインターネット ヤフーの取り組み

報告者:  前田明彦(Yahoo!ニュース みんなの政治プロジェクトマネージャー)

討論者:  前嶋和弘(上智大学教授)、李洪千(東京都市大学准教授)
司 会:  清原聖子 (明治大学准教授)

開催報告:

 2017年4月25日、「主権者教育とITの活用」をテーマに、明治大学駿河台キャンパスにて、インターネット政治研究会を開催した。冒頭に、研究会主査の清原聖子は、日米ともに若年層の投票率が低いことを指摘し、主権者教育の在り方を考えていく必要性と今回の開催趣旨を説明した。

 続いて、前田明彦氏(Yahoo!ニュース みんなの政治プロジェクトマネージャー)から、「『18歳選挙権』とインターネット ヤフーの取り組み」について報告があった。PCよりもスマートフォンで国内政治ニュースを読む人がますます増えている現状を鑑みて、「みんなの政治」では、ニュースを読まない層にもっと政治ニュースに触れてもらおうと言う取り組みを行っていると言う。2016年参院選前には、高校と協力して「社会課題アイディアソン」を行い、ボートマッチによって3種類の相性診断コンテンツを提供した。18歳選挙権を意識して、政党とのマッチングについて、18歳選挙権バージョンを作成した。また、2016年参院選が3回目となる、政党にツイッターで何でも質問できる「ASK NIPPON」というユーザ参加型の取り組みも行った。
ツイッターのユーザは多いのに、国会議員のツイッターの利用率は低く、政治家も(ソーシャルメディアで)発信しない、受け手側も望まない、という中で、新しい企画をIT企業が出していかなければネットと政治がつながっていかない、とお話された。
研究会の様子20170425_1
研究会後半は、米韓の主権者教育事情について短い報告の後、パネル討論が行われた。幹事の前嶋和弘から、アメリカではもともとcivic educationに熱心で、政治参加への意識向上を目指す活動をしている非営利団体をICTが加速している、という説明があった。また幹事の李洪千は、4月21日から25日に行った韓国大統領選の選挙事情の調査を基に、若者の政治参加について報告した。李は韓国について、オフライン(高校)の空間で政治を話題にする18歳以前の若者がネットでも政治について語るようになっており、若者の政治への関心は高いと話した。そして、その背景には失業率の高さや若者の社会への不満があると指摘した。
研究会の様子20170425_2
来場者は学生、社会人を含めて16名であった。フロアからの質問も多数あり、終了時間ぎりぎりまで活発なディスカッションをできた点が良かったと思われる。最後に、参加者の一人からは、「自分がこれまで受けた主権者教育を振り返ると、ヤフーの取り組みが大変有意義であると感じた。メディアの力、ウェブ媒体の力は、若年層に届きやすい特徴を考えると、これからも力を入れて行ってほしいと思う」とコメントが寄せられた。

2016年度 第1回 インターネット政治研究会報告

日 時 : 

2016年12月16日(金)18:00-19:40(17:30開場)

場 所 : 

明治大学 駿河台キャンパス アカデミーコモン308E教室

テーマ : 

「Digital Media and The 2016 U.S. Presidential Election」

講演者 :

Dr. Diana Owen, Georgetown University

討論者:  前嶋和弘 (上智大学教授)
司 会:  清原聖子 (明治大学准教授)

報 告:

2016年12月16日、明治大学国際連携本部主催、情報通信学会インターネット政治研究会共催により、明治大学駿河台キャンパスにて研究会を開催しました。

ワシントンDCのジョージタウン大学から、Diana Owen先生をお招きして、「Digital Media and the 2016 U.S. Presidential Election」と題して講演をして頂きました。アメリカの大統領選が終わって1か月ほどのタイミングだったためか、広報活動の成果なのか、通訳なしの英語での講演、質疑応答の研究会であったにもかかわらず、参加者は30名以上と、聴衆の関心の高さが感じられました。20代から60代の院生から研究者、IT企業の方など、様々な職種の方が参加されました。

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(Owen先生の講演の様子)

Owen先生は、講演の冒頭で、これまでのアメリカの大統領選を振り返り、どのようにデジタルメディアが使われてきたのか、その経緯について90年代の大統領選から概説を行いました。その上で、2016年大統領選で、民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補のデジタルメディア戦略について具体的に説明されました。クリントン陣営の戦略は、より多くのオーディエンスを惹きつけることよりも、彼女の支持母体を固めることに主眼が置かれたということでした。彼女のソーシャルメディアの使い方が効果的ではなかった一方で、トランプ陣営のツィッターの利用は「Build the Wall」などのキャッチフレーズを強化することに使われ、既存メディアを支配することにも効果があったという指摘でした。また、今回の選挙戦では、既存メディアの問題が浮き彫りになりました。メディアは世論調査と候補者のスキャンダルに関心を寄せすぎたということです。そして、多くの有権者が選挙情報源としているケーブルテレニュースは、ソーシャルメディアの情報に頼りすぎた、と指摘されました。さらには、偽情報が多くの人に信じられてしまった点も強調されました。講演の最後に、Owen先生が指摘された「2016年大統領選はpost-truth news時代の幕開けとして記録される」という点が大変印象的でした。ソーシャルメディアが普及することで、選挙情報を提供する既存メディアの役割が改めて問われるようになってきたと言えるのではないでしょうか。

講演に続いて、上智大学の前嶋和弘教授(インターネット政治研究会幹事)からコメント・質問がありました。それに対して、Owen先生は偽情報に対する規制の難しさやトランプ陣営のネット戦略が予想以上に展開されていた状況、さらには「オルトライト」運動が今後も続いていくのではないか、などと指摘しました。

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(パネル討論の様子)

その後、休憩時間中に質問用紙を回収しておいたところ、フロアーの参加者からの多くの質問が寄せられました。Owen先生はそれらの質問全部に答えられ、研究会は盛況のうちに終了しました。