活動状況

コンテンツビジネス研究会

主 査 :  大場 吾郎

幹 事 :  田村 和人、浅利 光昭

研究会主旨: 

注目を浴びるようになって久しいコンテンツ産業だが、そこには常に新たなビジネス生態系が生じている。本研究会では、テレビ番組、映画、アニメ、音楽、ゲームなどのコンテンツ分野を横断的に取り上げ、新たなプラットフォームやマーケットなどの環境変化への対応に始まり、プロモーション、商品化、物品販売、イベント興行、他産業との連携などを通して、コンテンツの価値を最大化するビジネススキームを考察・理解することを目的とする。併せて、そこでの課題について整理し、今後の方向性を検討する。

2019年度 第1回 コンテンツビジネス研究会報告

日 時 : 

2019年10月18日(金)18:00~20:00

場 所 : 

青山学院大学 青山キャンパス14号館(総研ビル)9F 第15会議室

テーマ : 

「出版社のコンテンツビジネス~クロスメディア展開を中心に」

報告者 :

 清水一彦(江戸川大学)

       沢辺伸政(小学館)

司会: 大場吾郎(佛教大学)

概 要 : 

2019年度第1回コンテンツビジネス研究会が10月18日に青山学院大学で開催され、「出版社のコンテンツビジネス」というテーマのもと、ゲストスピーカーによる報告と議論が行われた。まず1人目の報告者である、出版学が専門の清水一彦氏から出版産業の現状に関する解説が行われ、出版物から派生するデジタル財や版権ビジネス、物販などにおける売り上げの伸長に見られるように、出版社にとって収益源の多角化が進んでいることが解説された。さらに視野を世界に広げると、出版社がメディア・コングロマリットの一部となり、同一コングロマリット内の他メディアへのコンテンツ供給源になる動きが顕著である点が指摘された。続いて、小学館でコンテンツビジネスの実務に当たる沢辺伸政氏から、小説や漫画などの原作を活用したクロスメディア戦略について報告がなされた。具体的には、今年度上半期に劇場映画化、テレビ・配信番組化、ビデオグラム化された代表的な作品展開例ならびに下半期の展望が報告された。従来からの映画会社や放送事業者のみならず、近年は配信事業者などとの間でも、個々の作品の特性に応じて最適な施策が勘案されるように変化していると同時に、ハリウッド映画産業をはじめとする海外の事業者とも積極的に協働し、小学館が扱う原作の価値を高める試みがなされていることが説明された。各報告の後、参加者からの質疑応答や活発な意見交換がなされた。

 

*詳細は学会誌に掲載予定です。