活動状況

2026年度第54回情報通信学会大会
研究会報告・特別報告

大会概要

研究会報告

研究会名 テーマ・発表者・要旨等
<インターネット政治研究会> ■テーマ:SNS選挙・偽情報問題から問う2026年衆院選と民主主義の行方

■報告者1
「民主主義の破壊につながるSNS上のデマやフェイクニュースのリスク」
報告者:田代光輝(慶應義塾大学)

【報告要旨】
田代光輝(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授)
 26年2月に実施された衆議院選挙において、SNSの影響を分析する。24年の都議選・総裁選・兵庫県知事選・解散選挙、25年の都議選および参議院選挙では、ショート動画を中心にネガティブキャンペーンが繰り広げられ、中には、外国勢力からの影響工作や、虚偽情報の拡散も見られ、26総選挙でも同様の事例が観測された。排外主義や民族差別など、外国勢力から後押しされた保守分断工作は継続している一方で、消費税が12%になるというデマや、高市総理の日曜討論欠席に関するデマなど、野党支援者を対象としたデマ拡散も多く観測された。またAIを利用したフェイク動画も拡散しており、民主主義のありかたが問われる選挙となった。

■報告者2
「認知の限界を超えた「AI氾濫」:検証という対症療法から包括的対策へ」
報告者:古田大輔(日本ファクトチェックセンター)

【報告要旨】
古田大輔(日本ファクトチェックセンター編集長)
AIの爆発的普及で、情報の真偽を個人の認知能力で判別することは不可能になりました。質が向上しただけでなく、量が増えたからです。AIで生成したコンテンツの大量生産・拡散は「AI氾濫」とでも呼ぶべき状況で、2025年までとは明らかに違うステージに至りました。対症療法としてのファクトチェックはいまも有効で、重要です。しかし、検証で得られた知見を、さらなる包括的で重層的な対策に結びつけなければなりません。これまで、対策はテクノロジーの発達による状況悪化の後手を取り続け、しかも、両者の差の拡大は加速的に広がる一方です。筆者も属する国際ファクトチェックネットワークでの議論を交えて現場の状況を紹介します。

■討論者
小笠原盛浩(東洋大学)

■司会者
清原聖子(明治大学)
<コンテンツビジネス研究会> ■テーマ:「メディアが担う文化コンテンツビジネスー美術展のIP設計と収益構造」

■報告者
浦城義明(TBSグロウディア イベントラジオ本部)
黒川踏葉(日本経済新聞社 文化事業局)

■司会者/討論者
大野茂(阪南大学)

■報告要旨

本発表は、メディアが主導する美術展を、単なる芸術鑑賞の場ではなく、IPビジネスとして捉え、その知られざる収益構造を明らかにするものである。近年の展覧会はIP設計を基盤に、ターゲット設定、プロモーション、商品展開、会場体験を組み合わせながら、入場料、物販、タイアップ、SNSでの話題化など複数の価値回路を形成している。だが、その設計原理や収益構造の差異は、文化的意義に比して十分に整理されてきたとは言い難い。また、長年にわたって蓄積されてきたノウハウは、担当者以外にはほとんど知られていない。最新の事例を比較し、実務的観点もふまえ、収益と価値創出の仕組みを解明するとともに、文化を事業として成立させる条件と課題を考察する。
<モバイルコミュニケーション研究会> ■報告者1
「空間コンピューティング研究」の現状
吉田達(東京経済大学)

■報告者2
「モバイルコミュニケーション研究における時間研究」
富田英典(関西大学)

■討論者
上松恵理子(新潟リハビリテーション大学)

■司会者
藤本憲一(武庫川女子大学)

【報告要旨】

スマートフォンをはじめとするモバイルコミュニケーション研究は、現在、空間と時間をめぐる議論において大きな転換期を迎えている。本部会では、この問題意識にもとづき、空間と時間に関する二つの研究報告を行う。第一報告では、「空間コンピューティング」研究の現状を整理・報告する。第二報告では、モバイルコミュニケーション研究の動向を概観したうえで、空間研究から時間研究へと拡張する近年の流れを整理し、現在の研究課題を検討する。以上の二つの報告を通じて、モバイルコミュニケーション研究の今後の展開に向けた新たな研究視座を提示することを目的とする。

 

 

特別報告

報告タイトル 報告者

<特別報告>

令和7年通信利用動向調査の結果

岩崎 未希子

総務省 情報流通行政局 情報通信政策課

情報通信経済室 課長補佐